17歳の日記
先日、姉から1冊の手帳を渡された。
「あんたの手帳よ。何故か私が持ってたわ。返す。」
記憶に無い手帳。
嫌な予感がするものの、数ページめくってみた。
しばらく続く空白。しかし中腹辺りから文字群が現れた。
己の目を疑った。
そこには私の17歳当時の日記が綴られていた。
開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった感がハンパない。
~戦慄、 17歳のヤノヨシタカ日記~
■2000年5月22日の日記より
「カッコイイ顔になりたかったけど今はなりたくない。そりゃ、なりたいけど。」
世界のどこでも通じる言葉、『は?』です。
完全に記憶が無い。卑屈の純度が99.999%のファイブナイン。
しかも言い放ってすぐに本音がポロリ。
日記で弱気とか小宇宙(コスモ)を感じます。
■2000年6月2日の日記より
「今日から祭りらしい。カップルが沢山いる。俺は彼女をそこまで欲しくない。ホモではない。」
なんというか握力がすごい。
お祭りの日、カップルを沢山目撃して落ち込んで
家に帰って手帳広げて「俺は彼女をそこまで欲しくない。」
「ホモではない。」
世界で一番聞いてない。
NOホモ、誰に対しての念押しだよ。
しかも「そこまで欲しくない」とか、
この時まだ女性の手すら握った事ない。
■2000年7月27日の日記より
「よく分からないけど、1日ずれている」
たいそう笑った。
世にも奇妙すぎる。
■2000年9月9日の日記より
「ゲームセンターでコインが13枚から134枚までになり、最終的には500枚になった。もうサイコー!」
幸福度の頂点がエタノールの沸点ぐらい低い。
500枚のコインを手に、天下泰平みたいな顔してる自分が目に浮かびます。
何が怖いって
この9月9日、僕の誕生日です。戦慄が走ります。
誕生日を無価値で終幕させる癖はこの頃から始まったらしい。
ハタチを越えても漫画喫茶でスラムダンクとか読み返してました。
精神が崩壊しそうなのでここで止めておきます。